さくっと読んで感銘を受けたので、メモ。

持たざる経営の虚実 日本企業の存亡を分ける正しい外部化・内部化とは?
- 作者: 松岡真宏
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2019/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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産業再生機構出身者で証券アナリスト出身ということで、生きた従業員を抱える法人と、株式市場で時価で取引される企業体の両面を知った筆者による日本企業に対する処方箋。
「選択と集中」は誤った概念で理解され、コングロマリット化が日本企業の成功パターンとなる。というのが基本の考え方。
バブル崩壊後、GEでのコンセプトに言葉だけで飛びついたが、単純にリストラ・不採算事業を切り捨てるというある意味経営にとって安易な改善策の大義名分で使われてしまい、結局はそれが企業の競争力を失うことになったというお話。
そして、日本国内、とりわけエリアマーケットにおいてはコングロマリット型のビジネスが正解であり、エリアドミナントの実践が成長の源泉だと整理している。
まさに国内では結局のところ、総合化を維持している企業体が強みを維持し、切り売りをした場合に失う人財・ノウハウにより、貧すれば鈍す、という体たらくの話はよくある話、と得心。
そのほかにもプリンシプル化するという概念や、「ホワイトカラー工場の出現」など、今起きて目にしている現実を表現する言葉が盛りだくさんでした。