アクセス解析に関心が集まりだしたのは昨年ぐらいからですが、
ソリューションだけではなく、どう活用していくのか、活用するための組織・体制、という点にも
関心が高くなってきました。
元ネタはもう1年も前のものになりますが、
「成熟度モデル」という考え方を援用して、アクセス解析の活用度を考えてみましょう。
成熟度モデルとは
成熟度モデルとは、
平たく言うと、ITの活用のレベルをいくつかの側面で分けた上で、
それぞれに関するゴールと対応した現在地点を設定することで、曖昧な「活用」を明示化するフレームワークのことです。
例えば、COBITが制定している、
COBITでは、ギャップを埋めるための(あるいは目標に効果的・効率的に近付くための)方法として、「きちんとしたプロセスを作って、きちんとコントロールしましょう」という考え方を持っている。そしてさらに、各プロセスがどの程度きちんとできているか、ということを「成熟度モデル」という形で表現している。
という考え方が有名です。
COBITの成熟度モデルでITILを裏付ける - @IT情報マネジメント
などを参考にしてください。
例えば、COBITでは
計画と組織(Plan and Organize)
調達と導入(Acquire and Implement)
サービス提供とサポート(Deliver and Support)
モニタリングと評価(Monitor and Evaluate)
の四つのドメインでそれぞれに対して、成熟度を設定していますが、
アクセス解析における成熟度モデルでは、六つのドメインを設定しています。
アクセス解析における6つのドメイン
この成熟度モデルは、
アクセス解析のツール分析をするプラグインWeb Analytics Solution Profiler (WASP)などの開発元でもある、
immeriaというコンサルタント会社が設定しているものです。
企業として Web 解析能力を向上させるために―Web 解析成熟度モデルの活用(1) / 不況時代の Web ビジネス最適化講座 - japan.internet.com コラム
こちらの記事で大枠は紹介されていますが、
ハメル氏のモデルは「Web 解析成熟度モデル(WAMM)」と呼ばれるが、彼のいう「Web 解析」の領域は定量的、定性的なデータの積極的な活用、統計分析、マルチバリエイトテスト、行動ターゲッティング、ビジネスプロセス分析など ROI 向上のためのビジネス全般の活動におよび、単なるアクセスログの解析にとどまらない。
として、以下に紹介する六つのドメインをバランスよく向上することで、
より活用を深めることができるとしています。
それは、
- マネジメント
- 目的
- スコープ
- リソース
- 方法論
- ツール
の六つです。それぞれに対して、設定されている内容が異なっています。
とりあえず日本語にしてみました。
各ポイントに関しては平易な英語なので、上記のPPTも参照していただければと思いますが、
最終的にはアクセス解析を、
競合と戦うため、打ち負かすことができる
強力な武器にしていくステップを示しています。
成熟度の向上はバランスよく
アクセス解析がうまく行っていないと感じたら、
図の様に現状のアクセス解析の利用、活用状況をプロットしてみてください。
下図の様に、その利用にはむらがある場合が多いかと思っています。
なかなか難しいかともしれませんが、
このモデルの考案者によると、各側面をバランス良く成熟させないといけないとしています。
ツールや方法論のレベルを上げていくことも大事ですが、
マネジメントやスコープなど、
活用の幅を広げていくためにも重要ではないでしょうか。