ログマニアックス

日々学んだこと、気づいたことをメモ代わりに残していければ。カバー範囲は割と広めです。

洗練された広告は「広告」をやめるという話

本日はメンバーズさんが主催する以下のセミナーに行ってきました。所属チームが「ユーザーエンゲージメント」を冠しているゆえに楽しみに行ってきましたが、なかなかおもしろかったのでメモ。

ブランドは生活者に伝わり、深く認知されてこそ存在価値を生みます。Webサイトを構築するだけでは「価値がない」に等しいと言っても過言ではありません。

コミュニケーションのデジタル化が加速する中、生活者に愛されるブランド体験の提供に成功しているのは、徹底的な顧客視点で"手段としてのデジタル"を効果的に活用している企業です。

本セミナーでは、顧客体験価値の最大化で流通小売のオムニチャネルを牽引する良品計画WEB事業部長川名常海氏、米国を拠点に数多くのナショナルクライアントのマーケティング活動を支援する大柴ひさみ氏をゲストに迎え、「顧客ロイヤルティを最大化させるエンゲージメント・マーケティング」を深い視座で解説します。

こんな感じです。

事例をベースにUSの話をされて、それにリンクする形で無印良品の話がされてました。

まず最初に

お話いただいた、JaMの大柴さん、無印の川名さん、ありがとうございました。普通に面白かったです。

JaM Japan Marketing

海外、特にUS進出の機会があるのであれば、普通に相談先として超最適なパートナーではないでしょうか。実際東芝さんやスバルさんなどがクライアントにいらっしゃるそうです。

ブログも面白いです。

そして、業界では有名ですが、無印良品のオムニチャネル/ウェブ戦略。

残念ながら奥谷さんは離れられてしまいましたが、常にマーケティング企業としてベンチマークしている組織です。

あと個人的にも無印良品はファン。

www.muji.com

USのマーケティングにおけるエンゲージメント

広告マーケットが日本よりも大きく、接触頻度も高いアメリカでは広告のネガティブインパクトも大きくなっています。

そのため、ユーザーの期待値をコントロールしたり、文脈やメッセージを整理することでうまく拒否感を少なくして受け入れてもらうためのミームやテクニックがあちこちに散見されています。

例えば、先日大統領選を降りたバーニーズさん。

アメリカ大統領選はマーケティングのオリンピックといいますが、彼の動画は若者にも刺さりやすいわかりやすいコンテクストを重視したものでした。

www.youtube.com

背景に流れているのはサイモン&ガーファンクルのフォークソング。アメリカ人にとっては演歌のようなもののようですね。

マーケティングギミックが効かなくなってきているので、社会への貢献や環境、といったメッセージや飾り立てないことを訴求したマーケティングが実際に効果を生むという好循環が発生しているそうです。

その例としての#imnoangelキャンペーンがあります。

これはビクトリアシークレットなどの理想的な体型のモデルを強調するキャンペーンへのカウンターとして、太っていたり、スタイルが悪い一般の人が下着をつけて、自らの「セクシー」を語るという形式のキャンペーンです。

昨今のインスタでのスッピンブームにも連なってきますが、飾り立てないことがかえって記号になるという良い事例ですね。

uxpamagazine.org

また、紹介されていたのが、上記のUXの成熟度モデル

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最終的には「喜び」を満たすためのマーケティングが求められているのが、成熟したUSにおける広告の整理としていました。

無印での「飾らない広告」

そして、上記の概念をいち早く先取りしている、というか、社是としているポリシーがたまたまUSでの潮流と一致しているが無印良品です。

ちなみに最初にお話があった「店舗店長からECへの反感」「店舗受取り売上は店舗売上としてつける」などの話は前職での話ともつながり、面白かったですね。

特に2008年以降はWebと店舗にさらにSNSを取り入れた3つのメディアレイアーで顧客の動きが進んでいるとのことでした。

その象徴として紹介されたのが、フカヒレスープ事件。

bylines.news.yahoo.co.jp

詳細は上記のページなどがまとまっていますが、環境団体の主張に対して、正面から反論して、販売を継続した、とのことです。

ポイントはこの反論としてプレスリリースを出した結果、当該商品の売上が4倍になった!ということです。

これは商品の品質に対して、ストーリーが掛け合わさったことで実現されたいい例だと思います。

また、もう一つ事例として紹介されたのが昨年末のヘクセンハウスキャンペーン

みんなのヘクセンハウス | 無印良品ネットストア

もう動画自体は上がっていないようですが、有楽町の店舗にヘクセンハウスのむらをつくり、そこから24時間のライブ配信を行ったところ、非常にそこからのバズが発生したということです。

両方の事例で共通しているのは、そこには強烈なギミックも広告もなく、シンプルなメッセージングです。

広告に慣れきっており、また、広告を嫌う人も増えていく中では、このような取り組みも面白いかもしれませんね。

エンゲージメント=好きになってもらう

USの事例でも無印でもそうですが、一貫しているのはユーザーに共感されるプロセスを作り上げることがエンゲージメントであり、新しい広告のありようですね。

高度に洗練された広告は広告であることをやめる、という言い方をしてもいいかもしれません。

そういえば、最近購入を悩んでいるのが、よなよなエールの年間契約。

yonasato.com

高価格なクラフトビールの魅力を伝え、好きになってもらうことをこのブランドも志向しているような気がします。

自分たちが行っている取り組みも自社サービスを好きになってもらうための自社広告の取り組みであり、その点でいろいろ社内的には齟齬が出ますが(笑)、正しい道だということを確認できるいい機会でした。