ログマニアックス

日々学んだこと、気づいたことをメモ代わりに残していければ。カバー範囲は割と広めです。

営業組織をカイゼンするKPI経営

さらっと読んだのでとりいそぎ、レビューメモ。

マーケティングのKPI 「売れる仕組み」の新評価軸

マーケティングのKPI 「売れる仕組み」の新評価軸

 

 上島さんは日本で「リード・ナーチャリング」という言葉を全面に出して紹介されたマーケターとして有名ですね。

WEB来訪者を顧客に育てる リードナーチャリング

WEB来訪者を顧客に育てる リードナーチャリング

  • 作者: 上島千鶴,古賀雅隆,板倉雅人
  • 出版社/メーカー: 日経BPコンサルティング
  • 発売日: 2009/11/19
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 4回
  • この商品を含むブログを見る
 

この本も以前に読んだことがありますが、今回はどちらかというと非Web業界向けにKPIの活用を促していくための本になります。

 

本書で扱うマーケティングとは

まず、気をつけてほしいのはこの本にはいわゆるウェブマーケティングの手法はほぼ書かれていません。

もちろん、ビーコンを使ったデータ取得やクッキーなどの要素技術の解説はありますが、本筋としてはB2Bの営業活動(≒本書における狭義のマーケティング)のために、定性的・非言語的な情報を以下に定量的・言語的に整理していくか、ということを様々な目線で整理しています。

リード(潜在顧客)の持つ属性情報

 例えば、ソリューション営業などをイメージするとしっくりきたのですが、様々な場で営業マンが接触・収集・蓄積する情報の要素として、SCOTSMANという頭文字で構成要素を紹介しています。

  • シチュエーション(Situation)
  • 競合 (Competetor)
  • 機会(Oppotunity)
  • 導入時期(Timing)
  • 規模(Size)
  • 金額(Money)
  • 決済権限(Authority)
  • 必要性(Needs)

上記がその要素ですが、それぞれに対して、整理し、可視化することで、営業顧客の優先度を明示的につけることができるという考え方です。

そして、要素分解できるということは汎用的なフレーム、データスキーマとして持つことが可能です。

営業マンがこの情報を整理し、システムに例えば蓄積することがマーケティングオートメーション、営業管理の一里塚なのかもしれません。

マーケティングプロセスの科学化

また、営業活動から受注に向けたプロセスを理解するフレームワークとして、デマンドウォーターフォールモデルを紹介しています。

Demand Waterfall モデル - MarketOne Japan

マーケットワンさんのサイトに紹介がされていたので、引用すると、

このモデルでは、展示会やWebフォームなどで顧客情報を獲得してから、営業訪問を経て最終的に受注に至るまでの業務プロセスを定義しています。この各フェーズにおいてリードの目標数と、次のフェーズへの目標遷移率を設定することで、業務プロセスの見える化を行います。

とのことです。

f:id:masakiplus:20160710135825p:plain

図にするとこんな感じ。

そして、これがファネルであるということから、ウェブでのCVRの考え方と同様に各領域からの実数と遷移率をKPIとして考えることでマーケティングを合理的に判断できるという考え方ですね。

組織管理と意思決定のためのガイドライン

上記のフレーム以外にもいろいろな見方を紹介していますが、本書で全般的に感じられるのは、営業活動・組織の合理化・改善。

日本で「マーケティング部」というと、PRから販促から広告から営業まで、会社によってありとあらゆる業務を持っているとことに別れますが、いわゆる「営業部」、狭い意味での「顧客獲得」のチャネルを管理する部門では、本書で定義されているKPI郡を導入することで、直接的な受注に紐付かない業務も含めて定量化し、評価をすることができるのではないでしょうか。

僕自身はそういった組織や業務についたことがないので、実感を持っては話せないのですが、間接的に見ている限りでは、少なからず企業では営業は属人であり、暗黙知によって成立しうる部門、というイメージがつきまとっています。

本書はそういったある意味で「伝統的」な営業組織を改善するための道標になるのではないでしょうか。