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ログマニアックス

日々学んだこと、気づいたことをメモ代わりに残していければ。カバー範囲は割と広めです。

分析力を武器とするためには

活用

よく訊かれることがあります。

アクセス解析ってもうかるんですか?

答えとしては、アクセス解析自体で売上を上げることができません。

ただ、アクセス解析をしないで売上を上げることは、
今後は難しくならざるを得ないとは考えています。
また、日々日々自社・他社のアクセス解析に接していると、
分析力を担保するが、企業としての競争力を担保するためには不可欠だという思いが強くなります

先日読了した、

こちらの本でもアメリカの企業を中心に分析力によって、
競合優位性を作り上げている企業とその戦略がいくつも紹介されていました。

 

分析力を競合優位性を持った武器にする

本書では、GoogleAmazonのようなネット企業だけではなく、
金融やメーカー、小売、サービス業も含め、
様々な分野において、データ・分析に基づいた経営・戦略を取っている企業の分析を行っています。

データ分析というと複雑で難解な計算によるもので、
一部の専門家のもの、アカデミックな領域に閉じこもった領域、というイメージがつきものですが、
以下の点で、分析力をもつことが競合優位性を築くとしています。

  • まねされにくい
  • 独創的である
  • 応用可能である
  • ライバルをはるかにしのぐ
  • 常に新しい

米国においても日本においても勝ち続ける企業にとって、
分析力がその組織の能力の基礎を決定づける差別ポイントになるのではないでしょうか。

ただ、全ての企業が当たり前のように分析力を武器とすることができたわけではありません。

GoogleAmazonのように創業時からデータオリエンティッドな企業もあれば、
ウォルマートや金融のように、必要に応じてデータの扱いを強化した企業、
一部のスポーツチームやメーカーのように、ある段階を経て分析力を武器とした企業、
様々なケースが考えられます。

 

ファストパスとスローパス

では、分析力を武器とした企業に生まれ変わるにはどうすればいいのでしょうか。

分析力が企業の売上や利益に結びつくには時間がかかります。
精度の高いデータが収集され、
それを扱う人材が確保され、
なによりも正しいデータにおいて意思決定がされる環境を作る必要があります。

本書ではファストパスとスローパス、という二つの進め方を紹介しています。

ファストパスおいては、組織は特急列車に乗ったようなものです。
経営者やエグゼクティブ層が勘よりデータを信じ、
そのためのバックアップを保証している場合のことを指しています。

ただ、残念ながら、多くの企業はこの状態にありません。
もう一つの進め方であるスローパスという形にならざるを得ないでしょう。

スローパスというのは、いうならば、ボトムアップのアプローチです。
前者ではなく、ごく小さな部署、例えば、マーケティング部署などで、
小さな積み重ねから実績を詰んでいく方法です。

スローパスは時間がかかり、失敗する可能性も高いですが、
初期投資が少なく、実績ができれば、他部署に納得感を追って、波及させる事ができます。

いずれのパスにしても、
一度、分析力の影響力が全社的に広がれば、進め方は同じでしょう。

さらにデータを集め、人材を集積させ、さらに、継続的なアウトプットを出すことで、
分析力を武器とした企業・組織に生まれ変わっていくことになります。

 

分析力を支える人材と組織

さて、実は分析力を企業が活かすために必要なものは、
ソリューションやシステムだけではありません。
データドリブンな企業風土、そして、そのデータを操る人材が必要です。

例えば、必要な人材は以下の三つに分ける事ができます。

1. 経営チーム

分析力を活かすためには、その理解が深い経営層からのプレッシャーが必要です。
単にデータの重要性を知っているだけではなく、
できれば、個別のソリューションや分析手法を知っている方が理想的です。

もちろん、操作法などは知っている必要はないでしょうが、
一般的な統計用語を理解していることが望ましいでしょう。

2. プロフェッショナル

プロフェッショナルというのは、その名の通り、
データを扱うための専門的な教育をうけ、スキルやテクニックに富んだ人を指します。

例えば、GoogleAmazonは数学やコンピュータ科学の専門家を優先的に採用し、
その企業の力の源泉としています。

こうした本物のプロフェッショナルは、最近は外注することも可能ですが、
外注することは企業の分析力のコアを外部に依存してしまうことを指しています。

そのため、少なくとも、一定の数のプロフェッショナルや
そのプロフェッショナルをマネジメントすることができる人材は社内に残しておく必要があるでしょう。

3. アマチュア・アナリスト

一番数が多く、また、実際に重要な人びとが「アマチュア・アナリスト」と呼ばれる人びとです、

例え、高度な分析力がなくとも、実際の現場の人間がデータの定義や扱い方を
正しく、かつ統一された形でもつことが重要でしょう。

僕自身もまったく同じデータが複数のチームで全く異なった誤解をうけていることを見たことがあります。

現場での知識を一定の基準を設け、
その基準を維持できる仕組みを作ることが望ましいでしょう

 

あなたの組織に足りないものは何か

分析ができなければ、企業として不完全というワケではありません。
ただ、現代においては業種を問わず、
アセットとして、一定の担保された分析力が競合との差別化につながると本書では強く主張しています。

会社全体、あるいは組織全体で欠けているものはないか、
あるとしたら、何か?

非常に興味深く読み進めることができました。