ログマニアックス

日々学んだこと、気づいたことをメモ代わりに残していければ。カバー範囲は割と広めです。

ウェブに生かせる「影響力の武器」

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ずっと読みたかったのですが、価格とボリュームで躊躇していた
「影響力の武器」を読みました。

 

サブタイトルに「なぜ、人は動かされるのか」とあるように、
社会心理学者による、人間の行動や意識がどういったポイントで動くのか、を
事例を中心に分析をしています。

ウェブマーケティング、サイトを使ってどう人を動かすのか、
にも役立つのではないでしょうか

 

読んだきっかけ

百式管理人さんが以前に紹介していたのがきっかけ

【書評】 影響力の武器 実践編 - IDEA*IDEA ~ 百式管理人のライフハックブログ

実践編という続編の紹介でしたが、Amazonの書評を読んで、
まずは1冊目から。

 

カチッ、サー

本書のコンセプトとして、何度も取り上げられる表現が、「カチッ、サー」。
鳥を操るのに使うテープを例に、以下のように述べています。

少し長いですが、以下引用。

人間の場合、自動的に回るテープは、私たちが受け入れるように学習してきた心理的原理、あるいはステレオタイプからできているのが普通です。それぞれ強さは異なりますが、これらの原理のなかには人間の行動を驚くべき力で方向づけるものがあります。私たちは小さい頃からこうした愛知からの影響を受けているのです。そして、以来ずっと広範囲にそれに動かされ続けているので、自分たちではその力の存在にほとんど気がつきません。しかし、これを目ざとく見つける一部の人びとにとっては、簡単に使える自動的な影響力の武器となります。(pp19-20)

 

人間を「自動的に」動かしてしまうスイッチがあり、
その武器とそれへの抵抗の方法を紹介しています。

実は成功しているウェブサイト・施策はこれらのスイッチを利用している面が
あるのかもしれません。

 

返報性

人は何かを受け取ってしまうと、たとえ、それを望んでいなかった場合であっても
その後の要求に応えやすくなってしまう性質を持っています。

例えば政治の世界では、普段から小さな貸しを与えることで、
他の政治家から、いざという時に賛同を得るというテクニックは横行しています。

恩義や義理、といった日本人のメンタリティと重なりますが、
これに応えないと社会的にはかなり不利な立場に立たせられます。

また、逆に最初に拒否をするような要求をしたあと、
より小さな要求をすると成立しやすい、というのも返報性の効果です。

これは、相手の拒否を前提に、
小さい要求を出すという妥協に対して、要求の受け入れ、という返報を期待する行為です。

例えば、ポイントを見返りなくユーザーに付与することで、
ユーザーは特に理由もなく、商品を購入してしまうという現象が近いのかもしれません。

 

コミットメントと一貫性

また、人には一度自分がコミットしてしまったもの、
決定してしまった行為に対して、一貫して取り組みたいと思う傾向があります。

たとえ、その決断・決定が間違っていたとしても、いくつもの事例で、
その決定を実施してしまった、ということが紹介されていました。

事例としては洗脳に近い内容も含まれていましたが、
手法としては、かなり早い段階で、購入・加入などの行為を決定させてしまうこと。

これによって、たとえその行為が正しくないとわかっていても
その行為の実施をしてしまいます。

例えば、商品やサービスに関して、ポジティブな記事のブログをかかせるのはどうでしょう?

多くの消費財メーカーが取り組んでいたように、
ユーザーに文章を書いてもらうことで、おのずとユーザーの当該商品・サービスの
利用は高まるでしょう。

いうならば、自分自身で宣言することで、自分が自分へのセールスマンになってしまうのです。

 

社会的証明

人間は社会的ないきものです。
周りがどう反応しているのか、あるいは自分がどう使われているのか、
も大きな意思決定の要素になります。

みんなが拍手をしているから自分も拍手をしてしまったり、
より多くの人が購入している商品をよいものに感じたりします。

クチコミサイトが好調なのは、社会的に認められていることがわかると、
ユーザーの背中を後押ししてくれるからであって、
例えば、クチコミ機能やユーザーの評価付け機能は、
その情報が蓄積されることで商品の価値を相対的に高める効果があるのかもしれません。

また、テレビショッピングで多く作られている、「実際のユーザーの声」のインタビューは
単なる商品紹介よりも効果が高いことが容易に想像つきます。

 

好意

当然のことながら、人は好きになった人から商品を買う傾向があります。
いきつけの飲み屋がかよってしまったり、
子供の頼みは断れなかったりするのはこのためです。

美しい男女の方がビジネスで成功しやすいのもそこに好意が介在するからで、
サイトでいうとデザインやUIが心地よいことが成功につながることを示していると言えるでしょう。

好意を抱かせるには美しさだけではなく、類似性や親密性も影響がある。

リピート施策を取ることは親密性を高めることであり、
リピーターのCVRが高い理由の一つとも考えられるかもしれません。

 

権威

権威を持った人や組織に言われたことは
たとえ誤っていたとしても影響力を持つことがあります。

そして、内容よりも外見に権威はある意味で左右されます。
私服の医者よりも白衣を着た偽医者の方が権威的に見えたりするのです。

例えば、verisignのロゴがあるとCVRが高まるのも
この権威による影響力かもしれません。

また、広い意味では、サイトのブランディングとは
そのサイトに対して、権威・信頼性を抱かせることであり、好意を与えることでもあります。

楽天が球団を持っていることが市場にどれぐらい売上に寄与しているかは
証明することは難しいですが、
明らかにサイトやブランドへの権威付けになっていると考えられます。

 

稀少性

人間は自由を失うことを恐れます。
今持っているもの、今ある可能性を失うことに対して、本能的に逆らおうとする性格を持っています。

典型的な例として、ロミオとジュリエットが紹介されていました。
二人は両家が対立すればするほど、障壁が高くなればなるほど、
お互いへの思いを強めてしまう傾向にあります。

このことは非常によく知られているて事実で、また実際に活用されています。

例えば、オークションがこの稀少性の影響力を大きく利用したビジネスでないでしょうか
ユーザーは時間資源が欠乏するにつれ、商品への購入意欲は高まっていくはずです。
また、競合の落札者が優先権を自分から得る度に欠乏性からより高い予算での入札を行います。
想定予算を超えてしまったことも多いのではないでしょうか。

 

あなたのサイトは影響力を持つか

成功しているビジネス・ウェブサイトは
よく見ていると上記のような影響力の武器を活用している事例が多いような気がします。

あからさまにこれらの武器を見せると嫌われてしまうこともあるかもしれませんが、
ウェブビジネスをサイトとユーザーのコミュニケーションという見方をするならば、
こうした影響力を以下に利用するか、
ということを考えてみてもよいのではないでしょうか。

もちろん、一個人として対人コミュニケーションを円滑にするためにも有益な本です。
個人的にはまとめたメモを机に貼っておこうと思います。